台湾は日本より緯度が低いため、年間平均気温が比較的に高いです。そのために、食中毒を防ぐよう、台湾料理は基本的に火を通して調理されています。それに合うお茶はというと、鉄観音や焙煎の深い烏龍茶などが主流でしたが、最近では食生活が多様化し、とくに日本食からの影響が大きく、刺身、サラダなどの生食やさっぱりしたものを食べる機会も増えてきました。それに合わせて、お茶も発酵が軽いもの、味わいが緑茶に近いものなどが人気を高めてきています。
また、昔はお茶は温かい飲み物というのが常識でしたが、10年ほど前から、台湾では若者向けに冷たいお茶飲料が開発され、巷のジューススタンド(「泡沫紅茶店」)も、お茶をベースにした冷たいドリンクを売り出しています。いまでは、冷たいお茶はどこでも売られている定番商品となっています。
ここ数年では、標高1000m以上の高山茶が人気を博しており、3000mと驚異的な標高の山地で取れたお茶まで市場に出回っています。高山茶は高い山の斜面に茶畑があるため、機械での茶摘みが不可能で、一つ一つ手で摘み取る地道な手作業です。阿里山や梨山、玉山などのお茶が有名になって、阿里山高山茶、梨山高山茶といった具合に市場では呼ばれるようになっています。
高地では、虫害の心配が少ない、空気がきれい、朝晩の温度差が激しい、日照時間が少ない、湿気が多いなどの気候条件で、茶葉が大きくて柔らかく育ち、アミノ酸も平地茶と比べて多く含んでいます。そんな高山茶は、中標高や低標高のお茶と比べて、ぎっしり詰った芳醇な香りと、舌をまとわりつくような濃厚な茶湯に人気の秘密があるといえるでしょう。 |